「幸せ」と集団への帰属意識①
安藤です。
先日受講したあるセミナーで、「幸福優位の原則」というポジティブ心理学の理論を耳にしました。
ハーバード大で主観的幸福度に関する縦断追跡調査をした結果、現役大学生のころに幸福度が高い人は30年後も幸福度が有意に高いという結果が出たそうです。
つまり”今幸せな人は将来も自分が幸せだと感じる”可能性が高いということですね。
しかし
幸せとはいったいなんでしょうか?
今日はこれを少し考えてみます。
まず、幸せとはリッチなことでしょうか?
これは国民の97%が幸福を感じているとされる国ブータンの国民一人当たりのGDPは世界158位であることをみるとお金持ちが幸せであるとは必ずしも言えないことがわかります。
またある研究では、どの社会においても生活水準が一定を超えると幸福感情との相関はなくなるとの結果もあり、これも幸せはお金じゃないことを示していますね。
個人的には、自己効力感、”自分が他者から評価されている、認められている”という感覚が幸せを感じる源なのではないかと感じています。
近年日本で大きく注目を集めている心理学者アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と述べています。
中には”一匹狼”と呼ばれる人々もいますが、ジョナサン・ハイト(社会はなぜ左と右にわかれるのか,2014)はそう呼ばれる人々でさえ他者からの評価を気にしているという研究結果を挙げています。
これほど、自尊心は他者からの評価に依存していると考えると
ひとえに幸せは他者依存的な属性を有しているといえるようです。
たしかに古代より人間は採集、狩猟、農耕を行ってきましたが、これらはすべて個単体ではなく集団で行われていました。
集団の中で生きることが必須の世界では生き延びるために
「他者からの評価=快感情」であることは納得できます。
お金や地位はその媒介変数でしかないのかもしれません。
来週はこの幸せ指標を使って組織が抱える問題「帰属意識の醸成」へアプローチすることの可能性を考えてみたいと思います。
それでは。